マグネクエンチ・テクニカルリソース・ウェブサイト、www.neomaterials.comのサブサイト

ボンドネオ磁粉について

希土類(RE)-鉄(Fe)-ホウ素(B)材料の優れた永久磁石磁気特性は、1980年代に発見後特許化された、正方晶構造の金属間化合物 RE2Fe14B1の強力な結晶磁気異方性と高飽和磁化特性を由来とするものです。

MQP™等方性磁粉について

達成できる優れた磁気特性と、その相対的な資源の豊富さから一般的に使用される希土類元素はネオジウム(Nd)です。ただし、その他の元素、例えばプラセオジウム(Pr)、ランタン(La)そしてセリウム(Ce)等も場合によって使用されています。

The superior permanent magnet properties of all are rare earth (RE)-iron (Fe)-boron (B) materials are derived from the strong magnetocrystalline anisotropy and high saturation magnetization of the intermetallic compound RE2Fe14B1, a tetragonal crystal structure discovered and patented in the 1980s

MQP™ 粉は当社が特許を持つ、溶融状態から毎秒1,000,000度の超急速で冷却固化されたRE-Fe-B合金をベースとしています。この急速固化により、極めて微細(一般的には30-50ナノメートル)で配向性を持たない冶金的結晶構造の等方性の物質ができます。この結晶粒の大きさは一磁区の結晶の大きさよりも小さくなる事から、これらの物質は粉末状態で優れた磁気特性を有し、MQP™ 粉を永久ボンド磁石の製造に理想的な材料としています。

 

 

 

 

 

MQP™ 粉の製造方法について

MQP™ 粉はメルトスピニング法として知られる工法で生産します。当社が特許を持つジェットキャスティング法として知られるメルトスピニング工法では、先ずRE-Fe-B合金のインゴットを溶解し、その溶融金属を加圧して、ノズルから水冷式回転金属ホイールの表面上に噴出します。その結果、この溶融金属が固化し、おおよそ厚み35μm、幅1~3mmの薄い金属リボン片となります。溶融金属の流動速度やホイールの回転速度等の製造条件を慎重に制御する事により、冷却速度(結果的には物質の微細構造)を制御し、最適な磁気特性を実現する事が出来るのです。

MQP powders are produced by a process known as melt spinning

このリボン片を集積した後、板状もしくはフレイク状の金属粉に粉砕し、これを熱処理する事により希望する磁気特性を得ます。

当社は微細粉グレード(MQFP粉)の製造販売も行っています。これらの磁粉はMQP™粉をジェットミルで粉砕することで生産しています。ここでは磁気特性の劣化を極力少なくする技術を採用しており、全てのグレードのMQP™粉(MQP-S-11-9を除く)に適用可能です。

MQP™粉が如何に使われるか

当社のMQP™粉はRE-Fe-B系の永久ボンド磁石の製造に使用されています。ボンド磁石は、磁粉とポリマー結合材を混合してコンパウンドを作り、それを圧縮成型、射出成型、押出成形、もしくはカレンダ成型で磁石部品の形状に成型する事により、磁性粒子が結合マトリックス内に点在した複合材料です。異なる結合剤と成型方法を柔軟に利用する事が可能であり、これは磁性部品やアセンブリの大量生産、低コスト生産を実現するためのボンド磁石の重要な利点の1つです。ボンド磁石は成型後、磁気特性を附与する為に必要となる適切な印加磁場を発生させる装置を使い着磁されます。MQP™粉は等方性である為、色々な着磁パターンや配向を可能とする非常に高い柔軟性を備えています。例えば、多極リング磁石はモータ用途で幅広く使用されています。アプリケーションエンジニアは製品設計において、この製造及び着磁における柔軟性の利点を組合わせることにより、ボンド磁石ソリューションを用いて効率向上とコスト削減を実現することができます。

MQA粉の製造方法について

メルトスピニング工法で製造されたRE-Fe-B磁粉の性能は、当社の異方性磁粉工程により著しく向上させる事が出来ます。この工程は、メルトスピニング工法で作られた物質のナノ構造に、ある特定の配向、または異方性性能を付与することによって、より優れた性能を与えるものです。

異方性磁粉の製造では、メルトスピニング工法で作った磁粉を大きなシリンダー状に成形後、アプセット金型によって圧縮し、短くなったものを更に幅広のプレート状にします。次に、このプレートを希望する粒径に粉砕して、その粉末に熱的安定性を確保する為の保護表面処理を施します。

この異方性MQA粉は、適切な結合材と混合することができます。典型的な結合材としては、圧縮成型にはエポキシ、射出成型にはナイロンがあります。次いで、このMQAとポリマー混合物を成型用金型に投入し、磁場がMQAの粒子を目的の方向に保っている間に、その磁場に配向させながら押し固めます。金型形状、温度、印可する磁界に関する成型技術には幾つかのバリエーションがあり、これらは磁石メーカーによって異なります。