磁粉研究
マグネクエンチはより高い磁気特性と耐熱性を有し、コスト最適化された合金組成の開発で等方性NdFeB磁粉業界を牽引します。また、特有の磁石課題を持つお客様の為、そのお客様のニーズに合わせた合金組成を開発します。
マグネクエンチはメルトスピニング科学のリーダーです。当社を措いて、NdFeB磁粉の製造について熟知している会社は他にありません。この技術的ノウハウにより、MQP™粉が市場に流通する磁粉の中で最も安定したNdFeB磁粉となっています。
磁粉の研究開発はリサーチサイエンティストチーム、及び合金開発、磁気特性計測、微細構造解析の最新式の機器を備えた、シンガポールにあるテクノロジーセンターで行っています。
一度に300gの合金インゴットの製作が可能な当社最新式のアーク溶解装置、及び1日に異なる組成物のメルトスピニングが可能な当社独自の回転式メルトスピニング装置を用いた、効率の良い磁粉開発が可能です。当社は、わずか数日でコンセプトから最終組成の決定に進み、数週間以内に新しい磁粉組成を完全に理解する事でお客様の要望に迅速に対応し、30年に渡る経験によって、新しく開発した磁粉をジェットキャスターによる大量生産まで移行するのに、簡単な1ステップ工程で実現します。
以下の機器はメルトスピニング後の磁粉特性評価に利用しています。
- X線解析(XRD)ー結晶粒径と結晶相を測定
- 示差走査熱量測定装置(DSC)と示差熱分析装置(DTA)ー相転移の分析。例えば溶解温度、結晶化温度、粒界溶解温度など
- 熱重量分析装置(TGA)ー温度の関数に亘る質量変化の分析。例えばキュリー温度など
- 走査型電子顕微鏡(SEM)とエネルギー分散型X線分析装置(EDX)ー粉末の形態と組成を調べる為のハイレゾ3D画像の生成
- 光学顕微鏡ー倍率500倍
- ステレオ顕微鏡
- レーザー粒子径分析装置
- 密度試験装置ーヘリウム比重計、見かけ密度およびタップ密度
- 粉末試験場ー磁石製造時の粉末圧縮性
- アニーリング/熱処理炉
- フラッシュアニーリング炉
当社の磁粉の磁気特性はテクノロジーセンターで完全に決定されます。4象現ヒステリシス曲線と2象限減磁曲線は、磁粉および磁石形状のどちらにおいても200℃まで測定可能です。磁粉の磁気測定に使われる振動型サンプル磁気計は、当社独自の安定性と精度を備えています。最後に、加熱炉とフラックスコイルを使い、熱減磁損失を測定する能力も備えています。
- ヒストリシスグラフー200℃まで
- 振動型サンプル磁気計(VSM)ー200℃まで
- ヘルムホルツコイルーボンド磁石のオープン磁束の測定
- 熱劣化加熱炉ー250℃まで
設備や科学的専門知識の集約はメルトスピニング工法の開発にも適しています。当社テクノロジーセンターのメルトスピニング装置は、温度、雰囲気条件、ホイールの回転速度、及び溶融物の流量等を調節することが可能です。高温度計や高速度カメラなど、他のツールと組み合わせる事で、当社は製品の品質安定性と特性の最大化に一番重要であるメルトスピニング工程のパラメータを理解することができます。この1つの例として、従来の技術を用いて製造した MQP™と比較すると、約1MGOe高い磁気特性を達成した新しいAdvanced Quenching(AQ) MQP™磁粉グレードの開発があります。